アントニオ・カルロス・ジョビン
ウルブ
Antonio Carlos Jobim/Urubu
ボサノバは日本にも完全に定着しました。おしゃれな耳ざわりの良い音楽として、ドライブで聞いたり、プール・サイドで聞き流したり、「洗練」を自認する人達に愛好されているのでしょう。ところが、ボサノバに限らず、ブラジル音楽はひじょうに奥が深いんです。高度なコード進行、複雑なリズムなど、ジャズやポップスにも多大な影響を及ぼしています。
アントニオ・カルロス・ジョビンは、ボサノバの父の一人。「イパネマの娘」など、多くの名曲は、みなさんの耳に知らず知らずのうちに届いていることでしょう。
ジョビン1976年の作品、「ウルブ」は、彼の洗練された音楽性が最も色濃く出ている異色作です。プロデューサー/アレンジャーにジャズ界の大御所クラウス・オガーマンを迎え、ジョビンのメロディーを華麗なるオーケストレーションでいろどる。一切の妥協を廃し、ジョビンの音楽が追求されていく。特に素晴らしいのが、後半4曲のインストゥルメンタル。ほとんどクラッシックの趣きで、限りなく美しい。
Urbuとはヒメコンドルのこと。大いなる自然に目を向けたジョビンのエコロジー的な発想もうかがえ、一層想いが広がって行きます。
ジョビンはどれも素晴らしい。初期のとつとつとしたギター、ピアノでのアンサンブル。世界に打って出たCTIのインスト連作(特にクラウス・オガーマン編曲の「波」)。後期の「Passarim」, 「Terra Brasilis」など、重層的なアレンジに渋いヴォーカルとコーラスがからむ作品群。歌姫エリス・レッジーナとの競演盤もいい。
ジョビンが気に入れば、ブラジルの広大な音楽の平原を旅してみましょう。
イヴァン・リンスは欧米のミュージッシャンにも高く評価されています。そのほか、カエターノ・ベローソ、ジョアン・ジルベルトなどなど。
忘れちゃいけないのがセルジオメンデス。ブラジル66の「マッシュケナダ」で世界的に大ヒット。コマーシャルに走りすぎ、本国ブラジルではぜんぜん評価されなかったけれど、やっぱりイイんです。
ビバ・ブラジル!
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