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CLASSIC SOUNDTRACK SOUL/R&B ROCK/POPS JAZZ WORLD JAPANESE SINGLE
ティアーズ・フォー・フィアーズ

ティアーズ・フォー・フィアーズ
シーズ・オブ・ラブ

Tears For Fears/Seeds of Love




これは、「完璧主義」ということと、「二人は一人」というおはなしです。

1983年にデビューしたティアーズ・フォー・フィアーズは、セカンド・アルバム「シャウト(Songs From The Big Chair)」で、まさに世界の頂点に立ちます。

ファースト・シングルの「ルール・ザ・ワールド」は2週連続全米一位。続く「シャウト」は3週連続トップのミリオンセラー。フォロー・アップの「ヘッド・オーバー・ヒルズ」も3位。同アルバムは、全米一位を5週間続け、500万枚以上売り切るという、ものすごいことになりました。

筆者はそのころアメリカに住んでいたのですが、どのFMラジオからも彼らの歌が飛び出していたのを覚えています。特に、「ルール・ザ・ワールド」は、シャッフルをベースにしたプログレ的空間を持った雄大な曲で、典型的なヒット・ソングとは大きく異なる、ユニークなサウンド。わたくしのお気に入りであります。また「シャウト」は、最近車のテレビCMに使われましたが、一度聴いたら忘れないシンプルかつ力強いナンバーですね。

ティアーズ・フォー・フィアーズ
Songs From The Big Chair  
ティアーズ・フォー・フィアーズは、ローランド・オーザバル(ギター、キーボード、ヴォーカル)とカート・スミス(ベース、ヴォーカル)の幼なじみ二人による実質デュオです。

二人は、抱えきれないような成功を手にして思いました、「今度は違うものに挑戦したい」。前作の曲作りが、リズム・ボックスなどを多用したあまりにも機械的サウンドであると反省し、次作はあくまで「人間が演奏する、人間の音楽」にこだわろうとしたのです。

きっかけは、アメリカ中をコンサート・ツアーで回るうちに、たまたま宿泊したホテルで歌う黒人女性歌手オレッタ・アダムスに心底感動した、というエピソードがあったようです。アダムスはなんと次作に招待され歌い上げることになります。

しかし、理想の音楽を実現するのは容易ではありませんでした。

プロデューサーは次から次にクビになり、スタジオが変わり、演奏を差し替え、楽曲を作っては壊し、という作業が延々と行われました。

月日は流れ、次回作「シーズ・オブ・ラブ」が完成したのは1989年。前作より4年がたっていました。

しかし、練りに練られたすきのないサウンドを一聴すれば、待ち続けたのも価値があったというもの。オーザバルが「これは僕たちのサージャント・ペパーズだ」と言ったのもうなづけます。

第一弾シングル「シーズ・オブ・ラブ」は、まさにビートルズの「アイ・アム・ザ・ウォルラス」あたりのサウンドへのオマージュとも言える異色作です。オーケストラやさまざまな効果音が現れては消え、90年代のサイケデリック・サウンドともいうべき聴きごたえ充分の作品で、全米2位まで上がりました。何度やってもドラムのスネア・サウンドが気に入らず、ついに一音一音、別のサンプル・サウンドに差し替えるという、気が狂うようなこだわりを示した一品。ほとんど病気です。

筆者の大好きなのは4曲目の「アドヴァイス。フォー・ザ・ヤング・アット・ハート」。ロマンチックなボサノバ風サウンドに乗って歌われるのは、ずいぶん哲学的な内容です。一部訳してみます:

     心若き者たちへ忠告しよう
     すぐに僕らは年老いてしまうってことを
     いったいいつになったら手をつけ始めるんだい?

     秘密の世界で暮らす人たちが多すぎる
     父母ごっこを演じ、子供の役を演じ続けるんだ

     愛は約束 愛はお土産
     ひとたび手渡されたら、決して忘れられることはない

     僕らはやりたいことを何でもできるんだ
     僕らがやりたいと思うことなら何でも・・・・。


う〜ん、「少年老い易く、学成り難し」みたいなことなんでしょうか。。。

完璧であること、特にローランド・オーザバルが求めた見果てぬゴールに近づいたともいえるこのアルバムは、ポップ史において忘れられないものとなりました。チャート的には全米8位、プラチナ・アルバムとはいえ、前作にはおよびませんでしたが。

さて、エネルギーを使い果たしたふたりは、友好関係にひびが入り、これっきり袂を分かってしまいます。一人になったローランドが、バンドを引き継ぎ、90年代に2枚のアルバムを出しますが、どれもヒットには程遠い結果となり、実質的にシーンから消えてしまいます。

音楽的才能にあふれるローランド・オーザバルですが、ヴォーカルの決め手となるカート・スミスのハイトーンで澄み切ったイノセント・ヴォイスがないと、魔法が足りません。やっぱり、二人は一人じゃなくっちゃ・・・。

ところが、なんと!

二人はふたたび組みなおし、ティアーズ・フォー・フィアーズとしてほぼ10年ぶりの新作を発表してくれました。「Everybody Loves A Happy Ending」。

こいつはイイです。サウンド的には「シーズ・オブ・ラヴ」に近く、凝りに凝ったビートルズ色がますます濃厚に。なんと言っても、カート・スミスのヴォーカルが戻って来たので、全盛期のフィーリングが復活です。これは聴いて下さい。


ティアーズ・フォー・フィアーズ


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<アルバム・データ>
発表年:1989年
レーベル:Fontana


曲目:
1.ウーマン・イン・チェインズ
2.バッド・マンズ・ソング
3.シーズ・オブ・ラブ
4.アドバイス・フォー・ザ・ヤング・アット・ハート
5.サード・ワールド
6.スウォーズ・アンド・ナイブズ
7.イヤー・オブ・ザ・ナイフ
8.フェイマス・ラスト・ワーズ


プロデューサー;ティアーズ・フォー・フィアーズ、デヴィッド・バスコム



<主要アルバム>

1983年 The Hurting
73位


1985年 Songs From The Big Chair 
1位 500万枚

1989年 The Seeds OF Love 
8位 プラチナ

1993年 Elemental 
45位


1995年 Raoul And The King Of Spain 79位



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