ジェイ・グレイドン
Jay Graydon
スティーヴ・キプナーの本作を通じ、プロデューサーとしてのジェイ・グレイドンについて語ります(ギタリストとしてのグレイドンについてはこちらの「究極のプレイ」)。
ジェイ・グレイドンは70年代当初から、西海岸の一流スタジオ・ミュージッシャンとして数々のレコーディング・セッションに参加してきました。彼がプロデューサーとして本格的に活動領域を広げたのが、この作品です。
スティーヴ・キプナーはオーストラリア出身のシンガー・ソングライター。81年、オリビア・ニュートン・ジョンのメガ・ヒット「フィジカル」の作曲家として大ブレークしてからは、順調なキャリアを送っています。そのキプナーのデビューがコレ。キャッチーな曲作りと、グレイドンの編曲・プロデュースがマッチして、非常にレベルの高いポップ作品に仕上がりました。まったく売れなかったんですけど・・・。
さて、ここからグレイドンのプロデューサーとしての快進撃が始まります。アル・ジャロウ、マンハッタン・トランスファー、ジョージベンソン・・・。AOR(という分類はあまり好きでないですが)の申し子として、活躍を続けます。
ジェイ・グレイドンのプロダクションの特徴は、完璧主義者としての緻密なアレンジと録音技術、ポップでジャズ寄りの立ち位置、そして、ここぞという時に出てくる伝家の宝刀、自らのギター・ソロです。このキプナーのアルバムでもグレイドンは弾きまくっており(でしゃばり過ぎ?)、そのすさまじさについては上記「究極のプレイ」のとおりです。
贅を極めたセッション・ミュージシャンの起用も特徴で、本作品でも、デヴィッド・フォスター、ジェフ・ポルカロほかTOTOのメンバーらが脇を固めています。
グレイドンは最近表舞台からやや遠ざかっています。大御所デヴィッド・フォスターに差をつけられた感じ。残念ながら、時代が追い越してしまったのかもしれません。しかし、彼の残したアルバムの数々は、今も輝き続けています。
実はキプナーの本作は廃盤のようなんですが(!)、ジェイ・グレイドンのプロデュースは下記の作品でも最高に楽しんでいただけます。
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マンハッタン・トランスファー/エクステンションズ
ジャズ・コーラスの実力派「マントラ」をグレイドンがポップに変身させたのが79年の本作品。ゴールド・アルバム受賞。グラミー賞ノミネート。ウエザー・リポートの「バードランド」を巧みにアレンジしたり、SFチックだったり楽しすぎ!とにかく聴いてください。 |
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アル・ジャロウ/ブレイキング・アウエイ
驚異のジャズ・ヴォーカリスト、アルジャロウとの相性ばっちり。81年の本作は、全米9位、プラチナ受賞、グラミー賞ノミネートとすばらしい結果を残します。一曲目のカッコヨサといったら・・・。83年の「ジャロウ」も傑作です。
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ジョージベンソン/コレクション
ジャズ・ギター界の大御所ベンソンのベスト盤ですが、グレイドンは2曲の「新録」を担当。このうち「Turn Your Love Around」は全米5位の大ヒット。82年のグラミー賞に輝きました。 |
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ディオンヌ・ワーウイック/フレンズ・イン・ラヴ
82年、大先輩ディオンヌ・ワーウイックにも挑戦しましたが、これは不発。やや貫禄負けとも言えますが、アルバムの仕上がりとしては完璧です。愛聴しています。 |
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ペイジズ
81年、プロ仲間で有名だった「Pages」をメジャーにすべく担当。リチャード・ペイジのクールなヴォーカルと独特な曲作りを生かした好アルバムに仕上げました。
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スティーブ・キプナー
ノック・ザ・ウォールズ・ダウンSteve Kipner
Knock the Walls Down

<アルバム・データ>
発表年:1975年
レーベル:Elektra
曲目:
1. ザ・ビギニング
2. ノック・ザ・ウォールズ・ダウン
3. ラヴメイカー
4. 失恋教室
5. ウォー・ゲーム
6. ディス・ハーティング・ユー
7. 愛の報酬
8. クライン・アウト・フォー・ラヴ
9. ギルティ
10. エンディング
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