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CLASSIC SOUNDTRACK SOUL/R&B ROCK/POPS JAZZ WORLD JAPANESE SINGLE
ビートルズ Beatles

ビートルズ/ アビイ・ロード
The Beatles/Abbey Road




ビートルズはすばらしいに決まっています。問題はどれを「最高傑作」とするか。

それぞれのアルバムへの評価は、時代とともに変化してきました。

あらたまって「歴史的真価」を問うと、そのアルバムが持つ「時代性」「革新性」が重視されるように思います。

その意味では、 今投票すると「リボルバー」、「サージャント・ペパーズ」、「ラバー・ソウル」あたりになるのでしょうか。要するに歴史を変えたかどうかです。これらのアルバムがポピュラー・ミュージックの世界にもたらした衝撃は、否定しようのない事実。その革新性に誰もが驚きました。

しかし「音楽の殿堂」は、その作品自体が持つ音楽性そのものを重視しています。

その点からは、やはり「アビイ・ロード」です。

アビイ・ロードへの評価も、時代とともに変遷しました。69年の発表時、「これぞサージャント・ペパーズと並ぶビートルズ最高傑作」ということで人気爆発。なんと、ビルボード首位11週間、1,200万枚を売り上げます(ホワイト・アルバム<1,900万枚>に次ぐ)。

しかしその後、評価は下降トレンドへ。

たとえば、欧米の主要音楽誌の「歴史的アルバムランキング」では、こんな感じです。

アルバム名/
書名(発表年)
Rolling
Stone
(2004)
Q
(2003)
VH1
(2000)
Mojo
(1995)
ギネス
(1994)
 リボルバー 3位 3位 1位 3位 5位
 サージャント・ペパーズ 1 15 10 51 1
 ラバー・ソウル 5 圏外 6 27 10
 ホワイト・アルバム 10 45 11 19 15
 アビイ・ロード 14 圏外 8 24 58


なんでこうなんでしょう?

ところで、日本の事情については、大瀧詠一氏の大変興味深い分析があります:

「日本のミュージシャンにビートルズのフェイヴァリット・アルバムを聞くと『アビイ・ロード』が必ずと言っていいくらい上位にランクされますが、このアルバム発表時期と(「イエスタデイ」が音楽の)教科書に採用された時期がクロスします(外国に比べて『ラバー・ソウル』までを挙げる人が異常に少ないのも日本の特徴です)。一旦教科書に取り上げられたとなると、今度は<権威化>から<神格化>にエスカレートし、チョッピリとした揶揄さえ信者には許しがたいものになる、という構図も作られていったのです。」 <レコード・コレクターズ 1995年7月号>

さて「アビイ・ロード」製作の背景について、今さらふれる必要はないと思いますが、要するに、解散の決まったビートルズの「(本当の)ラスト・アルバム」ということです。

中心はポール・マッカートニーレット・イット・ビーで遠ざかったジョージ・マーティンを呼び戻したのはポール。あの「メドレー」もポールで、要するにアビイ・ロードは「ものすごくポール」なわけです。

この点、「ビートルズの精神性はジョン・レノン」的な立場からすると、「アビイ・ロード」はポールの「俗物性」が支配する世界であり、80年代の「産業ロック」のはしりと見るような向きもあります。 確かに「まとまりが良すぎる」、「職人的過ぎる」といったこともあるでしょう。

しかし、ビートルズのラストが駄作であっていいはずありません。ジョン、ポール、ジョージ、リンゴは作品を持ち寄り、確執をしばし忘れ最後の力を振りしぼります。

わたくしは、この4人の若者のあっぱれなプロ根性を評価せずにはいられないのです。

それでは、楽曲ごとに:

カム・トゥゲザー
1曲目がジョンというのも興味深い。ポールが気を使ったのか。シングル・カットもこれ(サムシングと両A面。全米1位)。こいつは強烈でした。初めてラジオで聴いたとき、イントロで何がおこっているのか分かりませんでした。「シュート・ミー (Shoot Me)」のジョンの声、リンゴのタム、ポールのベースが渾然一体となって、不気味・怪しげなムード全開です。あくまでヘビーにクールに。基本は単純なロックン・ロールなのに、どうしてここまでかっこ良くなるの!

サムシング
ジョージ・ハリソンはこれで報われました。徹底的に創り込まれた3分間。究極の「起承転結」。感動の「転調サビ」が一回だけなのは、絶対に正しいのです!ジョージの泣きギターに加え、特筆モノはポールのベース。「うるさい」一歩手前で「歌うように」寄りそいます。成熟したリンゴのドラミング。気品あるストリングス。厳粛なオルガン。すばらしい・・・・。

マックスウェルズ・シルバー・ハンマー
ジョンはこれがイヤだったんだな。ポールの露骨なノスタルジーというか「おじさん」っぽさ。サージャント・ペパーズの「ホエン・アイム・シックスティ・フォア」も同じです。特筆すべきはムーグ・シンセサイザー。ポップス界では最も早くシンセを取り入れたビートルズですが、ここでの扱いは実に優雅。やたら効果音的に使わないセンスのよさが光ります。

オー!ダーリン
なんせポールのヴォーカルに脱帽ですわ。スタジオに一番にやってきて一回だけ歌い、満足行くまで何日も続けたというエピソードは有名ですね。最終版はテイク26!サビを聴くとポールの「狂気」に迫ります。「ほんとはジョンよりポールの方が狂ってる」という人がいましたが、そうかもしれない。

オクトパス・ガーデン
愛すべきリンゴの曲としか言いようがありません。効果音満点のカラフル・ビートルズ。

アイ・ウオント・ユー
情念また情念でひたすらリピートし、シンセサイザーのホワイト・ノイズをビュービュー言わせてしまう。「もうカンニンしてくれ」というところまで行ったら突然カット。これをやってしまうのがジョンのすごさです。。

ヒア・カムズ・ザ・サン
マイ・スウィート・ロード」につながる、ジョージのアコースティック路線。変拍子やシンセのダビングなど凝りに凝ってるのに、さわやかに聴こえるところはサスガです。

ビコーズ
シンプルなジョンの曲造りもみごとですが、なんと言ってもコーラス。3声のハモリを3回重ね、全部で9パートに。完璧なピッチで夢幻的に包みます。ビートルズは結局「声」さえあれば世界を支配できるんだ!

メドレー
さて、いよいよ問題のメドレーです。核は確かにポールなんですが、ジョンの「毒」もじゅうぶん効いているからこそ、特別なものになりました(ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネーからポリシー・パンまで)。

ゴールデン・スランバーのノスタルジーから、キャリー・ザット・ウエイトの突き放したような力強さ、そしてジ・エンドへ。まさに上りつめて行きます。「ソロ回し」はビートルズらしいというか、はっきり言って「ヘタウマ」。「これではツェッペリンらのハード・ロック勢とは戦えないな」と当時思いました。

「結局、君が受け取る愛は君が生み出す愛と同じ」と、すべてを総括する哲学的メッセージから、オーケストラでフィナーレに突入。これぞカタルシス。ポップの世界で、これ以上の完成度をどう求めたらいいのでしょう。ハー・マジェスティも「余裕の」ご愛嬌。


ということで、「アビイ・ロード」。4人できっちり落とし前つけたんです。

まあ、そもそもビートルズの「最高傑作」を選ぶなんてことに意味ないんですね。それぞれにとってのビートルズなんですから。なんせ全部聴いてみるしかないです。世界を変えたバンドなんですから!


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ビートルズ・レコーディングセッションところで、ビートルズの「ものすごさ」を伝えるのが、「ビートルズ・レコーディングセッションマーク・ルウィソーン著)」という本です。

これは、1962年のデビューから1970年のレット・イット・ビー発表まで、文字どおりビートルズの全レコーディング・セッションを、日記形式で記録したドキュメンタリーです。

ビートルズは、特に後期に入り、リハーサル・イコール・レコーディングで、ひたすら録音を続けました。一曲を20〜30テイク録るのはザラで、中には60テイク以上録るのもあったようです。そのころは、「共作」はほとんどなく、各々一人で作曲し、完成まで責任を持つというスタイルだったようで、その作曲者が納得するまで、録音は続けられます。

例えば、ポール作曲の「オブラディ・オブラダ」。能天気なハッピー・ソングに聴こえますが、ポールはできに満足せず、ひたすらダメ出しを続けます。あまりに同じ演奏を繰り返すので、しまいには、他のメンバーや録音スタッフも皆嫌気さしますが、どこまでも徹底的につきあいます。最後に、リンゴが切れて一時行方不明になったりしますが。

この「納得するまで妥協せず、やり抜く」ということ。ビートルズがただの才人の集まりでなく、生みの苦しみにもだえる「努力の集団」でもあったことに感動します。ぜひ、ご一読をおすすめします。

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さて最後に、「そのほかのおすすめ」ということですが、ここではジョンとポールのソロからひとつづつ、ということにしましょう:

まずポール・マッカトニー。ミック・ジャガーが「作曲しか能のないつまらんヤツ」なんて言ったらしいですが、関係ないです。どう考えても脱帽なんですから。71年のソロ・アルバム「ラム」。不安なソロの旅立ちだけど、どうしても天才が顔を出してしまう。後半の組曲的アレンジは、「アビイ・ロードを作ったのは僕だ」という意地か。これに名曲「アナザーデイ」がボーナス・トラックとなったら、やっぱり持っていたいですよね。

そしてジョン・レノン。音楽的にはずっと「ポールに負けてる」と思ってましたが、その考え方自体まちがってました。80年の遺作「ダブル・ファンタジー」を聴いて、ジョンの底力を再認識したような気がします。非凡な作曲能力は、これまた隠しようがありません。「ウーマン」の限りないやさしさは、何度聴いても胸に来ます。もちろん、ヨーコの作品は全部スキップするのが前提ですけど・・・。

ラム

ダブル・ファンタジー


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<アルバム・データ>
発表年: 1969年
レーベル:
Apple

曲目:
1.カム・トゥゲザー
2.サムシング
3.マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー
4.オー! ダーリン
5.オクトパス・ガーデン
6.アイ・ウォント・ユー
7.ヒア・カムズ・ザ・サン
8.ビコーズ
9.ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー

10.サン・キング
11.ミーン・ミスター・マスタード
12.ポリシーン・パン
13.シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー
14.ゴールデン・スランバー
15.キャリー・ザット・ウェイト
16.ジ・エンド
17.ハー・マジェスティ


<主要アルバム>
1963年 プリーズ・プリーズ・ミー
1位(11週) 500万枚


1963年 ウイズ・ザ・ビートルズ
1位(5週) 200万枚


1964年 ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!
1位(14週) 400万枚 


1964年 ビートルズ・フォーセール 1位(9週) 300万枚


1965年 HELP! 4人はアイドル
1位(9週) 300万枚



1965年 ラバー・ソウル
1位(6週) 500万枚


1966年 リボルバー
1位(6週) 500万枚


1967年 サージャント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド 1位(15週) 1,100万枚


1967年 マジカル・ミステリー・ツアー 1位(8週)  600万枚


1968年 ザ・ビートルズ
1位(9週)  1,900万枚


1969年イエロー・サブマリン
2位 プラチナ


1969年アビイ・ロード
1位(11週) 1,200万枚

1970年レット・イット・ビー
1位(4週) 400万枚










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