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CLASSIC SOUNDTRACK SOUL/R&B ROCK/POPS JAZZ WORLD JAPANESE SINGLE
アニタ・ベイカー Anita Baker

アニタ・ベイカー / ラプチャー
Anita Baker / Rapture




ブラック・ミュージックの洗練は、アニタ・ベイカーに極めると思います。

黒人音楽の全貌を語るのは難しいけれど、往々にして、ファンキーでノリノリな側面が強調されることが多いですね。そう、ラップやヒップ・ポップなんて典型です。でも、本当に洗練されたポピュラー・ミュージックも黒人音楽から生まれていることが多いんです。

アニタ・ベイカーは、1958年1月生まれのおばさんです。地元デトロイト周辺のR&Bグループで経験を積み、1983年にデビューしました。

本作「ラプチャー」は1986年、大手レーベル「エレクトラ」から初のメジャー作品となりました。ほとんど新人のくせに、エグゼクティブ・プロデューサーの地位につき、アルバムの製作全体に責任を持つことになりました。デビュー作のときに色々ゴタゴタがあったらしく、「自分ですべてを仕切ること」にこだわったのかもしれません。なんと生真面目なアニタ。パートナーとして選んだのは、長年の相棒マイケル・パウエル。彼女は、まさに存分に持てる力を発揮しました。

第一曲目は「スウィート・ラブ」。この曲こそ、アニタのすべてが凝縮した傑作中の傑作です。R&Bチャート2週連続2位。全米ポップ・チャート8位の大ヒット。

ゴージャスなイントロ一発でノックアウトです。リッキー・ローソンの粘り強く、ファンキーなドラム。Sir Gantというよく知らないキーボード・プレイヤーによる、華麗なアコースティック・ピアノ。ポーリーノ・ダ・コスタの手馴れたパーカッション・・・。

一転、アニタのヴォーカルが「霧が窓からしみ込んでくるように」す〜っつと入ってきます。限りなくスモーキーな独特な声。あくまでクールな歌いぶりに、かえって感情が高まっていきます。

サビに入ると、ピアノがリズミックに刻むなか、アニタはエモーショナルに歌い上げます。「Sweet Love」。ただひたすら、愛する人への想いをそのままダイレクトに・・・。ブラスも入り、さらにドラマチックに・・・。

私の生涯ベスト・シングルのひとつです。

そのほか、アニタは作曲にも積極的に関与し、まさに思いどおり完璧なアルバムを作り上げました。

「Sweet Love」のほかにも、「Caught Up In The Rapture」(R&Bチャート6位、ポップ・チャート37位)、「Same Ole Love」(R&Bチャート8位、ポップ・チャート44位)、「No One In The World」(R&Bチャート5位、ポップ・チャート44位)とヒットに恵まれ、アルバムの売り上げは500万枚を突破しました。

楽曲のよさももちろんですが、このアルバムを特別なものにしているのは全体のアレンジ。ひたすら、ロマンチックにゴージャスに。かつクールに知的に。本当に完璧としか言いようがありません。必ずしも、モータウン的な黒人音楽の典型的アレンジではなく、ポップスの王道的な貫禄がみなぎっています。類例のない洗練ぶりですが、近いところでは、ルーサー・バンドロス辺りのセンスですね。


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さて、アニタはその後も順調にアルバムをリリースします。次作「Giving You The Best That I Got」は全米一位を4週間続ける大ヒットになり、タイトル・ソングは全米3位まで上りつめます。

88年、彼女のピーク時にLAでステージを見ました。小柄なアニタが、何のギミックもなしに堂々と歌い続け、聴衆を圧倒していたのをよく覚えています。

ところが、ところがであります。そのアニタ・ベイカーも、94年の「Rhythm Of Love」以降、パッタリ音沙汰がなくなってしまいます。いったいどうしたんだ!

聴くところによると、レコード会社の契約が切れ、発表の場を失ったらしいんです。アニタほどの実力者がどうしてそういうことになってしまうのか?ラップのうねりに見捨てられたか?少しでも人気にかげりが出始めると、突然ブレーキがかかってしまう。音楽業界の恐ろしさを知りました。石川さゆりが新作出せないのと一緒かな・・・。

ところが、なんとなんと、アニタ10年ぶりの新作「My Everything」が出たんです!

自主制作も覚悟していたアニタに手を差し伸べたのは、ジャズの名門レーベル「ブルーノート」。1曲目の「You're My Everything」を聴いただけで目頭が熱くなりました。彼女のスモーキー・ボイスに、また出会えたんですから!

続報:2004年9月25日付のビルボードで、「My Everything」は全米アルバム・チャート4位まで上がっています!バンザ〜イ!


アニタ・ベイカー


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<アルバム・データ>
発表年:1986年
レーベル:Elektra


曲目:
1.Sweet Love
2.You Bring Me Joy
3.Caught up in the Rapture
4.Been So Long5.Mystery
6.No One in the World
7.Same Ole Love
8.Watch Your Step



<主要アルバム>
1983年 The Songstress
139位


1986年 Raputure
11位、500万枚

1988年
Giving You The Best That
I Got 1位(4週間)、300万枚


1990年 Compositions
5位、プラチナ


1994年 Rhythm Of Love
3位、ダブル・プラチナ


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