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にがての殿堂
ビーチボーイズ

ビーチ・ボーイズ
Beach Boys




評価の確立した作品を、感動できないってのはつらいものです。

ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』は、まさに歴史的評価の確立したマスター・ピース。

世界の音楽誌によるランキング(右記)をご覧いただくと、そのものすごさが分かります。

ローリング・ストーン誌が昨年発表した「歴代グレイテスト・アルバム500」では、ビートルズの「サージャント・ペパーズ」に次ぐ2位。ギネス「史上トップ1000アルバム」では、ボブ・ディランの「追憶のハイウエイ61」に次ぐ3位。そして、1995年、英Mojo誌では堂々「史上最高」とされています。

まさに、圧倒的だ!

コメントがまたすごい:
・「ロックにおける芸術的自由への偉大な一歩」(VH1)
・「年代を追うごとに成長する激烈な美しさ」(ギネス)
・「ロックの新しい扉を開ける霊的なやさしさの証明」(Mojo)
・「入念なサウンドにのって伝わる悲痛なまでの憂愁」(ローリング・ストーン)

『ペット・サウンズ』は、ビーチ・ボーイズ1966年の作。ブライアン・ウィルソンが海外ツアーに同行せずスタジオにこもり、ほぼ一人で創り上げた異色作です。全米10位、100万枚。英国2位。

ビートルズの「ラバー・ソウル」に負けじと、ブライアン・ウィルソンが根性を出したペット・サウンズ。コレに影響されたポール・マッカートニーが作ったのが「サージャント・ペパーズ」という、逸話も有名です。

我が国のえらい音楽評論家の先生の間でも、ビーチ・ボーイズ、特にこのアルバムに対する評価は絶対的です。ほとんど神格化。多くのミュージシャンのルーツにもなっています。けなすなんて、恐ろしくて考えられません。


さあ、どうする殿堂???!


そもそもビーチ・ボーイズ(「浜男」?)。なんせサーフィン・サウンドですから。お気楽なメロディー。一発でそれと分かるコーラス。型にはまった60年代サウンドってことで、わたくしとしましては、あまり心に響いたことはなかったんです。

ただ、「グッド・ヴァイブレーションズ」だけはスゴイと思ってました。チェロをブンブン使ったり、テルミンを飛ばしたり、ひたすらユニーク。複雑なアレンジと楽曲の構成。むちゃくちゃ作りこまれているのが良く分かりました。まさに「怪物ソング」。

わたくし、そんな「貧しい」ビーチ・ボーイズ体験しかありません・・・。


そして、『ペット・サウンズ』。

何度もなんども聴きました。リマスターCDも買い、各種評論も読破しました。

でも、感動できないもんはしょうがありません。。。

ブライアン・ウィルソンが、たった一人で自分の内面に入っていく。全ての楽器からコーラスまで、完全に自分の指揮下に置いていく。一音一音、偏執狂的に作り込んでいく。ドラッグの影響もあり、ここからさらに深い自家中毒の世界に落ちていく・・・(最近の復活振りはうそのよう)。

右耳の聴力に問題のあったブライアンは、モノラルにこだわりました。ステレオ感のない世界に、エフェクトを駆使した音像をつめ込んでいく。

わたくしには、壮大に「煮詰まった」サウンドにしか聞こえないんです。

まさに、究極の「一人多重録音」。そこには、他人とのコラボレーションで生まれる「組み合わせの妙」、「相互作用」といったものは一切ありません。

ビートルズがレノン/マッカートニーの「相互作用」そのものであったような。そして、ジョージ・マーチンという希代のプロデューサーを触媒としたような。

だからこそ、「サージャント・ペパーズ」という奇跡が生まれたような。

そういう意味で、ジョージ・マーチンなしに、たったひとりでコレを生み出したブライアン・ウィルソンの天才性は評価できるものの、ペット・サウンズを「奇跡」と呼ぶには抵抗感があります。

個々の楽曲の点でもそうです。

シングル「ウドゥント・イット・ビー・ナイス」は、結局のところサーフィン・サウンド。ポール・マッカートニーが「生涯聞いた最も美しい曲」と言った「ゴッド・オンリー・ノウズ」は、経過音の使い方など当時としては画期的だったのでしょうが、今聴くとそれほどのものとも思えません。

ただ、「Let's Go Away For Awhile」の美しさは認めます。分数コードの洗練、ビブラフォンを生かしたインストゥルメンタル構成。あくまで、切なく・・・。

それにしても、「歴史的名盤」にしてはこのジャケットひど過ぎません?ギネスでも指摘してますが、なんでヤギに餌やってんの??

さあて、大変なことを言っちまったぞ。知〜らないっと。でもいいや。どうせ、放っといても語り継がれてゆくアルバムなんでしょうから。


やっぱり一度は聞いてみようかという方は、Amazonでどうぞ。


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さて、ビーチ・ボーイズをもう少し聴いてみるには:

ビーチ・ボーイズ 終わりなき夏 Endless Summer
73年に発表されたベスト盤。サーフィン・サファリ、サーフィンU.S.A.、ファン・ファン・ファン、アイ・ゲット・アラウンド、カリフォルニア・ガールズなどなど。ペット・サウンズ以前、ビーチ・ボーイズ絶頂期のヒット曲をすべておさめました。全米アルバム・チャート1位。


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ブルース・ジョンストン 歌の贈りもの Going Public
ブライアンがおかしくなってしまってから、後期ビーチ・ボーイズを支えたのがこのヒト。ブルース・ジョンストン。作曲家としての力量にあふれ、バリー・マニロウの「歌の贈りもの/I Write the Songs」で、全米ナンバー・ワン・ヒットを飛ばします。

本作は1977年発表のソロ・アルバム。珠玉のバラード「ディズニー・ガール」、ポップな「ディードリー」、キャプテン&テニールの「サンキュー・ガール」など、胸キュンの名作が並びます。
歌唱力はちょっと苦しいけど、ハッキリ言ってわたしはコッチの方がずっと好きなんだわ。ビーチボーイズより。


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「ペット・サウンズ」のランキング(海外誌による歴代アルバム評価)

Rolling Stone
(2004年)
2位

VH1(2003年) 3位

Mojo(1995年) 1位

ギネス(1994年) 3位



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